とあるレンジャーの休日

「紫乃先生は昔からオンとオフで雰囲気違いますからね。オンの時は格好いいけど、オフはとっても可愛いの」

 紫乃は言葉に詰まり、とりあえず誤魔化すために「次呼んで、次!」と声を上げた。
 自分を持ち上げるような言葉や、おだての類いは苦手だった。
 どうにもむず痒く、居心地が悪くなってしまう。




 普段より一時間半以上遅くなりつつ、午前の診療を終えた。
 午後は休診にして、駐屯地へバイトに行かなくてはならない。
 そしてまた、夕方からは夜の診療。

 昨日のゆったりした時間が嘘のような目まぐるしさで、一日が過ぎていく。

 夕方のわずかな空き時間に清二郎から電話があった。
 そのまま検査入院することになったらしい。
 結果次第では手術も視野に入れ、今後の治療方針が決まる。

 胆管の狭窄がみられるため、まずは内視鏡検査と同時にドレナージを行って胆汁を外へ排出するとのことだった。

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