シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~
「家にいればいい?」
「もちろん夜はそうしてほしいけれど、昼間は図書館行って勉強してくるんじゃなかった? 昨日もそうしてたじゃない」
「そっか。わかった」
「ちょっと大丈夫? 熱でもあるの?」
「うん……ううん。気をつけて、いってらっしゃい」
前にもこんなやり取りがあったなあ、とわたしは思い出していた。
記録的な猛暑となった年の夏休み、名古屋の実家に帰る母を見送って、家でダラダラ過ごした。
十四歳のわたしは、部活の合宿を休んだ。わざわざ学校に泊まる意味がわからなくて、昼も夜もみんなと顔をつき合わせて過ごす自信もなくて。
もともと亜依に誘われて入ったものの、特に何の楽器を演奏するわけでもないわたしは、幽霊部員ならぬ座敷童部員となり、みんなの活動を眺めているだけの存在と化していた。
拍手して盛り上げるオーディエンス役。
いてもいなくても、きっと同じな傍観者。
勉強はそこそこ、運動は苦手。目立たない端っこがわたしの位置。
そして、合宿を休んだからといって、他にやりたいことがあるわけでもなかった。
大量に出ている宿題を、まだ夏休み序盤だからと先延ばしにして、案の定、休みの終わりに焦るはめになったっけ。
今の状況は、あの夏の始まりに似ている。
「もちろん夜はそうしてほしいけれど、昼間は図書館行って勉強してくるんじゃなかった? 昨日もそうしてたじゃない」
「そっか。わかった」
「ちょっと大丈夫? 熱でもあるの?」
「うん……ううん。気をつけて、いってらっしゃい」
前にもこんなやり取りがあったなあ、とわたしは思い出していた。
記録的な猛暑となった年の夏休み、名古屋の実家に帰る母を見送って、家でダラダラ過ごした。
十四歳のわたしは、部活の合宿を休んだ。わざわざ学校に泊まる意味がわからなくて、昼も夜もみんなと顔をつき合わせて過ごす自信もなくて。
もともと亜依に誘われて入ったものの、特に何の楽器を演奏するわけでもないわたしは、幽霊部員ならぬ座敷童部員となり、みんなの活動を眺めているだけの存在と化していた。
拍手して盛り上げるオーディエンス役。
いてもいなくても、きっと同じな傍観者。
勉強はそこそこ、運動は苦手。目立たない端っこがわたしの位置。
そして、合宿を休んだからといって、他にやりたいことがあるわけでもなかった。
大量に出ている宿題を、まだ夏休み序盤だからと先延ばしにして、案の定、休みの終わりに焦るはめになったっけ。
今の状況は、あの夏の始まりに似ている。