シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~
 確か記憶では、わたしは合宿を休んだ。
 体調が悪いことを理由に。
 昼は家でだらだらしたり、気が向いたら図書館にも行った。夜はお父さんと自宅で過ごした。
 異常に暑くて、エアコンをつけっぱなしにしていたこと以外は、ごく普通の夏休みだった。

 もし今が八年前の夏なら、わたしが休んだ三日間に、何が起こったのか知りたい。
 本当は合宿に行けばよかった、という心残りも少しある。
 まだ間に合う。

 幸い、体調は良好だ。この身体はアルコールなど摂取した経験がないのか、すごく軽い。二日酔いにもなっていない。
 わたしの意識の中では昨日、解散を巡って亜依と言い争いをした(というかわたしが一方的に納得できないとわめいた)のが最後だけれど、本当に合宿が行われているとしたら。
 今から学校に行けば、中二の亜依に会える。
 航にも、遥人にも、きっと会える。
 わたしは亜依にメールを返した。

『遅くなったけど、今から行くね』

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