Des gouttes de larmes 〜涙の雫〜
駅には浴衣を着た人達でごった返していた。





『うわ〜人いっぱいだね。奈々はぐれないでよ?』




『もぅ子供扱いしないで!雄大こそはぐれないでよ!』





『大丈夫。奈々の手離さない。』




雄大はそう言うと、私の手をギュッと握ってきた。




『やだっ。いい歳した大人が手を繋いでるなんて。人いっぱいいるじゃん。』




『大丈夫だって。誰も俺達なんか見てないよ』





それもそうだ。



私は少し照れながら雄大の手を握った。




『奈々絶対離さないでよ?』




雄大はそう言うと満員の電車へ乗り込んだ。
< 39 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop