ヘタレな貴方と強がりな私


正直、こんなふうに
奈津が話さないのも初めてだ

小鳥遊くんの時も
白戸さんやかずくんの時も
すぐ懐いていたから
拓也もすぐ懐くだろうと思っていた


やはり初めて会う
自分の父親に戸惑いがあるのだろう
どうにか奈津の緊張をほぐしたいと
思っていた時、拓也が話し出した


「自己紹介、していなかったね」


そう言って差し出してきたのは名刺だ
私が貰った名刺…と、もう一枚
それは手作りで、全てひらがな
拓也の字で書かれていた



「やなぎはら、たくや?」


名刺を見て読むと
奈津はその名刺を手に取り
拓也へと視線を向けた


「うん。俺の名前。仕事は電気を作る機械を考える仕事をしているんだ」

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