ヘタレな貴方と強がりな私


『ありがとう、柏木さん』


ようやく思い出した
彼女の胸にあるネームプレート
柏木ではなかったが
あえて旧姓で呼んだ


「覚えていたの?」


うん、と言いつつ
今さっき思い出した事は内緒にした


私達はファミレスを出て
バス停へと向かった
昔から変わることがない時刻表
利用していたのは何年も前だが
家に帰るバスはこれしかないため
いやでも頭の中にインプットされていた


バス停で待っていると
やはり目立ったのであろう
道を通る人達は
珍しい物を見るような目で見てくる


「そんなに珍しいのかな?」


小鳥遊くんも視線に気がついたようだが
それが私のせいだという事を
伝えるのは止めておこう

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