ヘタレな貴方と強がりな私
私が街を出て仕事をすると決めた時も
拓也と結婚したいと拓也を連れてきた時も
父は一言も文句を言わず賛成してくれた
でも、母に拓也と離婚して
お弟子さんと再婚しなさいと言われたときだって
父は何も言わなかった
だから私は父も母の意見に賛成したんだと思い
父に裏切られた感じがした
その父が、母を引っ叩いた
叩かれた母も
それを横で見ていた姉も
そして席を外していたお弟子さん二人も
驚いてリビングへを顔を覗かせていた
「どういうことだ?」
父の声がこんなにも低かったのか
それ以上に父が怒っていることに驚いてしまった
私の記憶の父は
いつも熱心に仕事をし
寡黙で無口な父だったからだ