空色プレリュード
2人だけの音楽室

「失礼します!資料を返しに来ました。」

「あらあら、わざわざありがとう!重かったでしょう?」

「いえ、全然大丈夫です。」

私は保健室で保健の先生に資料を渡して帰ろうとした。

すると保健室のベッドの向こうで動く気配があった。

保健のの先生が声をかける。

「笹川くん起きた?具合はどうかな?」

するとカーテンが開き中から笹川くんが現れた。

「はい。もう大丈夫です。ご心配をおかけしました。」

「うん!さっきよりも顔色よくなってるし良かったわね。念のため暴れずに安静にしてなさいよ。」

「わかりました。ありがとうございました。‥てあれ?橋村じゃん。どうしたの?怪我とか?」

笹川くんは急に話を振ってきた。

「う‥ううん。わ‥私は資料を‥渡しに来ただけ‥。」

今思えば、こんなに誰かと話したのは久しぶりな気がした。

「あら?笹川くん知り合いなの?」

「橋村とはクラスメイトなんですよ。」

「そうなの!?じゃあ、橋村さん笹川くんと一緒に教室に行ってあげてよ。さっきまで、ふらふらしてたから心配なのよ。」
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