泣かないで、楓
「ワハハハハ。性懲りもなく現れたな、アイムレンジャー」
悪の親玉がハンドマイクを片手に、ステージに現れた。
「この地球の平和は、俺たちが守る!!」
スピーカーからレッドの声が聞こえてくる。その声に合わせ、吉伸先輩がバッ、と右手の拳を、胸の前で強く握った。勧善懲悪の、とてもベタな展開。しかし、21歳になった今でも、この展開は気持ちを熱くさせる。
「ちょこざいな。野郎ども、やっちまえ」
悪の親玉は戦闘員たちに指示をした。
「よーしみんな、いくぞ!」
「おう!!」
レッドの一言で、全員のアクションが開始された。イエロー役の僕は、ピンクのスーツに身を包んだ楓と共に、戦闘員と闘う。
戦闘員は剣を振りながら襲ってくる。楓は側転とバク転で、戦闘員の剣さばきを避けた。めちゃくちゃ恰好いい。よし、次は僕の番だ。背筋を伸ばし、動きはキレよく、恰好よく……。
ダメだ。考えれば考えるほど、動きが硬くなっていくのが分かる。
「痛てっ!!」
戦闘員が振りかざした剣は、僕の顔面にクリーンヒットした。頭の中で余計な事を考えていたら、攻撃を避けるアクションを一つ忘れてしまった。バタン、と尻もちをつき、身体ごと床に倒れる僕。
「大丈夫!?」
ちさとさんがアドリブで、僕に声をかけてくれた。そのセリフに合わせ、ピンクの楓が、僕のそばに駆け寄った。そして、誰にも聞こえない様に、ボソッと声をかけてきた。
「しっかりせぇや、恭平。子供たちが見てるで」
「う、うん」
僕はスクッと立ち上がり、ファイティングポーズを取り、体制を立て直した。凛々(りり)しく立っている様に見えるかもしれないが、脳裏には、終わった後、確実に先輩にキレられる。それしか頭になかった。
僕はそんな恐怖心を振り切るかの様に、必死にアクションを続けた。
悪の親玉がハンドマイクを片手に、ステージに現れた。
「この地球の平和は、俺たちが守る!!」
スピーカーからレッドの声が聞こえてくる。その声に合わせ、吉伸先輩がバッ、と右手の拳を、胸の前で強く握った。勧善懲悪の、とてもベタな展開。しかし、21歳になった今でも、この展開は気持ちを熱くさせる。
「ちょこざいな。野郎ども、やっちまえ」
悪の親玉は戦闘員たちに指示をした。
「よーしみんな、いくぞ!」
「おう!!」
レッドの一言で、全員のアクションが開始された。イエロー役の僕は、ピンクのスーツに身を包んだ楓と共に、戦闘員と闘う。
戦闘員は剣を振りながら襲ってくる。楓は側転とバク転で、戦闘員の剣さばきを避けた。めちゃくちゃ恰好いい。よし、次は僕の番だ。背筋を伸ばし、動きはキレよく、恰好よく……。
ダメだ。考えれば考えるほど、動きが硬くなっていくのが分かる。
「痛てっ!!」
戦闘員が振りかざした剣は、僕の顔面にクリーンヒットした。頭の中で余計な事を考えていたら、攻撃を避けるアクションを一つ忘れてしまった。バタン、と尻もちをつき、身体ごと床に倒れる僕。
「大丈夫!?」
ちさとさんがアドリブで、僕に声をかけてくれた。そのセリフに合わせ、ピンクの楓が、僕のそばに駆け寄った。そして、誰にも聞こえない様に、ボソッと声をかけてきた。
「しっかりせぇや、恭平。子供たちが見てるで」
「う、うん」
僕はスクッと立ち上がり、ファイティングポーズを取り、体制を立て直した。凛々(りり)しく立っている様に見えるかもしれないが、脳裏には、終わった後、確実に先輩にキレられる。それしか頭になかった。
僕はそんな恐怖心を振り切るかの様に、必死にアクションを続けた。