危険地帯
アイツのことは、なぜか簡単に信じられた。
『真夜中零時から午前三時まで、最も孤独を感じるその時間にワタシは現れてあげるわ♪』
ずっと、朝から晩まで現れてくれないの?
頭の中でそう問いかけると、アイツは優しく目を細めた。
『現れるのはそれだけだけど、ずっとそばにいるわ♪だから、安心して』
私と同じ小さな体なのに、心は私よりも強くて。
私と同じ心臓を共有してるはずなのに、私よりも落ち着きがあって。
私と同じ年齢なのに、私よりも大人で。
まるで、お姉ちゃんができたような気持ちになった。
『今日は、もうおやすみ』
幼い私の傷の深さに気づいたアイツの囁きで、私の意識はだんだんと遠ざかっていった。
アイツがどんな性格で、どんな奴なのか。
これから先、私が幾度となく傷ついて、震えるほどの恐怖を感じることも。
この時の私は、まだ知らない――。