危険地帯
「僕らは、羽留を捨てたりしない!」
律は、真剣な声でそう叫んだ。
私の過去を聞いたのに、私はお母さんの人生を潰したのに、全部私のせいなのに。
それなのに、そんなことを言ってくれるなんて、思わなかった。
「俺は、お前が産まれて……お前が生きていてくれて、よかったって思ってるぜ?」
深月はそう言うと、私の指に自分の指を絡ませた。
そのまま、ギュッと私の手のひらを包み込む。
「本当に、お前と出会えてよかった」
それは、お母さんもお父さんも、誰も、言ってくれなかった言葉で。
それは、ずっと言われたかった言葉。
たったひとつの言葉が、私の生きる意味となり、私の光となり、過去に囚われていた私を救ってくれた。
これが夢だったらどうしよう。
目が覚めたら、消えてしまわないよね?
涙が溢れすぎて、声が出ない。
本当は、今すぐに伝えたい。
私も皆に出会えてよかった、って。