危険地帯
「じゃあ、何のクスリを売ってたんだ?」
神雷の総長が尋ねると、忍者は腕を縛られているにもかかわらず、ポケットからプラスチックのケースを器用に取り出した。
プラスチックケースの中には、数種類の小さな玉のクスリが入っていた。
「この赤いのが催眠スプレーの元になるやつで、この青いのが洗脳できるやつ。そんで一番人気なのがこの黄色いので、酒を飲んだような感覚になれるやつ」
さまざまな色があるクスリについて説明し始めた忍者。
「あ、一応言っておくけど、どれも依存性なんてねぇからな」
……も、もしかして。
いや、もしかしなくても。
売っていたクスリって、それ?
「今日のために集めた不良達は、全員黄色いのを買おうとしていた奴なんだけど、それを騙して青いクスリを売った、ってわけ」
麻薬や覚せい剤じゃないのなら、警察に捕まることはない。
だから、忍者は首を傾げていたんだ。
「そ、それじゃあ、警察に捕まったっていう黒龍の下っ端は……!?」
「あぁ、そいつらならすぐに解放されたよ。ま、そいつらは俺の駒に利用させてもらったけどな。倉庫のどっかにいるんじゃねぇの?」
律の疑問に、忍者は倒れている不良に視線を向けて言った。