危険地帯



殺気を纏ったその拳に、一体どんな感情を込めてるの?


あぁ、なんて可哀想な子。




「『俺は強い』とは言わないのね♪」




ワタシは、顔面に深月の拳が当たる寸前で、深月の拳を手のひらで包むように受け止めた。


黒龍の総長さん、さっき言った言葉を覚えてる?『ワタシがあんた達をぶっ殺してあげる♪』って言葉を。


曖昧な表現ではなくはっきりとそう言えたのはそれ相応の実力があるから、そう考えるのが普通じゃない?



「!?」


「ワタシのような女に止められたことが、そんなに不思議かしら?」



これで本気なんて言ったら、殴るわよ?


私があんた達みたいな不良に誓ってしまったのなら、私に傷ひとつつかないように守ってほしいのに。


この程度の実力なら、今までのようにワタシが守った方がいいかもしれないわね♪



「チッ」



また舌打ちをした深月は、ゆっくりと拳を下げた。


言っとくけど、ワタシはまだ本気のほの字も出してないわよ?



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