偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
「今度は何に付き合うんだ? ふぐ鍋か? キムチ鍋か?」
そう切り返し、フフっと笑いながら兼古を伺い見る。
すると兼古は笑顔のままゆるゆると首を横に振った。
「付き合うって、交際するって意味なんですけどね」
「…俺とお前は男同士だが?」
「ダメですか?」
これは…冗談で言ってるように聞こえない。
そう察知すると同時に、自然と俺の顔から笑顔が消えた。
「兼古、お前ってさ……」
「はい。俺は男が好きです。ゲイってやつですね」
驚いた。兼古がゲイ?!
俺は女にはモテるほうだと思ってたが、まさか男にまでモテるとは…。
「悪いが…付き合うのは無理だ」
「ですよねー。一か八かで言ってみただけです」
兼古は笑顔を絶やさない。
俺の答えをわかってて、それでも告白してきたっぽい。