偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
「柳原さん、好きな女性がいるでしょ?」
「…え?」
「俺ね、人の感情には敏感なんですよ。
わかろうとしなくても見えちゃうっていうか。鋭いんです」
コイツは何だ? 占い師か?
一体何が見えてるんだよ、お前のその目には。
「俺、応援しますよ」
「何企んでるんだ」
「ヤダなぁ、企むだなんて。純粋に好きな人の恋愛を応援したいだけですから」
兼古に探られるような言い方をされたとき、何故かまた柴本の顔が脳裏に浮かんだ。
……まさかな。
俺だってどうしたもんかと思ってるくらいの、この小さな火種のような気持ちに、兼古がすでに気づいたとでも?!
それはいくら何でもありえないだろう。