偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
この後しばらく日々が過ぎ……
俺はたまたま会社で衝撃的な光景を目にしてしまう。
柴本が昼休みに同僚と、精子バンクの話をしているって…どういうことだ。
まさか、未婚で子供を産むつもりか?
精子バンクを利用して?
そこまでして子供が欲しいのだろうか…。
「兼古、女は結婚せずに子供だけほしいって思うもんなのか?」
その日休憩室でたまたま一緒になった兼古に、俺は思わず素直な質問をぶつけてしまっていた。
「え…なんすか、それ」
「お前ならわかるかと思ってな」
「あのね、俺はゲイですけど女じゃありませんからね」
そりゃそうだ。
いくらコイツが鋭いからって、女心まで丸ごとわかってたまるか。
「柴本さん…ですか?」
「え?!」
「わかりやすい反応ですね」