偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
コイツ……人の心が読めるのか?
鋭いを通り越して気持ち悪くなってきたぞ。
目の奥に水晶玉でも仕込んでるんじゃなかろうか。
「あはは。当たりました?」
「………」
「てか、見てればわかりますよ。柴本さんに対して気があることくらい」
まいった。
そうか。コイツは人の心が読めるわけでも何でもない。
ただ観察力が優れてるってだけの話だ。
そう合点がいったところで、俺の肩からどっと力が抜けた。
「普通は結婚してから妊娠…だろ? まぁ…デキ婚なんてのもあるけども」
「ですね」
「結婚せずに子供だけ欲しい、子供だけ作りたいって、ありえるか?」
俺がそう尋ねると、兼古は顎に手をやりながらしばし固まって考え込んだ。