偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
「あなたが美衣子さんね」
どうぞ、とお茶を勧められた直後、お母様ににっこりと笑って話しかけられて。
意味もなくビビっていた心が少し緩まった。
「意外と普通なのね」
「……?」
「響介が選んだ人だから、もっとすごい美人さんが来るのかと思ってたのよ」
「す…すみません」
なんで謝ってるんだ、私。
今すごーーく、失礼なこと言われた気がするんですけど。
「母さん、失礼だよ」
隣にいた喜一さんがすかさず突っ込んでくれた。
「あ、ごめんなさい。
だって…もっと美人さんならお見合い候補の中にもいたんだもの」
「母さん、」
「でも響介ったら、相手は美衣子さんでないと俺は一生結婚しない!だなんてお母さんを脅すのよ? 酷いと思わない?」