偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

残念ながら子供は望めないと思う。

だって……
柳原さんは私と子供を作る気なんかないと思うから。


これは偽装結婚で。
彼は女性に興味がないんだもん。ゲイなんだもん。

私と子作りの行為なんかできるわけがないもん。


「だいたい美衣子さんはちゃんと子供が産める体なの?
お医者様で検診を一度受けてみたらどうかしら?」

「母さん!」


私の脳内とは違う妄想をお母様も自分の脳内で暴走させているようで。

さすがにこれには隣にいる柳原さんが止めに入った。


「だって…柳原家の子どもができるかどうかの問題なのよ?
元公家で元伯爵家である由緒正しき柳原家の血統が未来に繋がるかどうかの重要な話なの!」

「元公家で元伯爵家?!」


お母様が放った言葉を思わず復唱してしまった。
何だそれは。全然そんなこと聞いてないんですけど?!

だからお母様はさっきから子作りに関して拘っていたわけか、と急に府に落ちた。
跡継ぎがどうの、という問題なのかな…。


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