偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

「母さん、何度も言ってるだろ。
俺は美衣子じゃなきゃ結婚しない。美衣子がダメなら一生独身を貫く」


何故だろう。一瞬ドキっとした。

きっとこれはお芝居なのに。
愛しているんだ、と言われたような感覚に陥ったから。

いやいや、私はバカなの?
どこまで愛情に飢えてるんだ、そんな錯覚に陥るほどに。


「だいたい、子供ならもういるだろ」


少しの幸せで昇天しかけていたところ、いきなりの急落下。
なんですと? 柳原さんに子供がいるの?!

……隠し子、とか?


「喜一には3人も子供がいる。そのうち2人は男の子だ。跡継ぎがどうのと言うなら十分じゃないか」


なーんだ。喜一さんの子どものことか。

そりゃそうだよね。
ゲイの人に隠し子なんかいるはずがない。

ていうか、喜一さんて結婚していて子供が3人?
私と同い年で、三児のパパかぁ…。
ということは、私に3人子供がいても全然おかしくないってことで。
なんだか置いてきぼりを食らってるような、ズシっとくる事実。


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