嘘月と君の声。
「あ、こんにちはー」
声の主は、上田さん。
バイトの先輩で大学3年生。
「今日は英語です。」
頭に置かれた手を軽く除けながらシャーペンでプリントを指す。
「へぇ....あ、意外と難しい。」
なんで言いながら上田さんは隣に腰を下ろす。
私たちのバイト先は分類はカフェなのだが、今流行りのと言うよりは路地裏にあるようなカフェなのだ。
つまり基本的には暇で、オーナーさんの厚意に甘えてたまに課題をやったりなんて事をしている。
「上田さん、中国語でしたっけ?」
「そうそう。俺には英語は無理だったからね。」
どうやら英語が本当に出来ないらしい上田さんの英語力は私が保証する。
「あっ、かいちゃんじゃーん!」