ボーイズロード ―second season―
「若ちゃんから何も聞いてないの?」

「若?何を?」

「私、ちょっと前に若ちゃんから振られているんだよ」


初耳だ。つまり石川は若に告ったってこと?

若が石川のことを振るのも意外。最近はわからないけど、去年の夏頃は若も石川を好きだと思っていたから。


「思い返せば、若の恋バナって聞いたことなかったかも。あいつ、意外と自分のことは黙っているみたいだな」

「そうなんだ。てっきりニーナ達は知ってるって思っていたから」


「それで相談って、若のこと?」


石川は、カフェオレの入ったカップをテーブルの上に置いてから、ゆっくりと頷いた。


「忘れることができないんだ。若ちゃんのこと」

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