願いが叶ったその時…





うまく話せない
もう二度と会わないと思っていたから…
何を言っていいのかわからない



忍「よかったな、いいところに売られて」


「…は?」


忍「お前の叔父と知り合いでさぁ
  いらなくなった女は皆頼んでんだよ」



頼んだ?
じゃあ、今までいなくなった子も
死んでいった子も…こいつらが
追い詰めたっていうの?




あの子も…




      ?『百合(ニコ』




忍「生きて会えたのなんてお前くらい…」



「黙れよ」



忍「は?」   光「百合さん?」




あの子はいつも笑って話してた
最高の仲間だって…
私を救ってくれたんだって…
なのにこいつらは何?

使い捨てのように話して
挙げ句、いいところに売られた?


        ガンッ



「ふざけたこと言ってるわね?」


忍「なっ」


「人の命ってさ、あんたらが考えるより
 軽いもんじゃないんだよね…
 そうやって自分達が誰にもかまって
 もらえないからってさ…人のこと玩具に
 するのやめてくれない?」



否定させてやる
皆が皆、あんたらのために
死んだなんてことあるわけないんだから



「私はもう二度と、躊躇はしない」



私はつかんでいた胸ぐらを離し
そのまま店の中に入った。




        side百合 end






     
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