願いが叶ったその時…
side柾木
俺は今日、若の女だという百合さんに
ついてきてショッピングモールに来た。
さっきまで笑いながら話していた人が
あんなにも殺気を放っていることに
誰も追いつけない。
それに、この男達は
若から注意しておくようにと言われていた
『桜花』の幹部連中だ。
こんな所で会うなんて…
光「…おい」
忍「あ゛!!」
光「知らないようだから教えといてやる
彼女はもうお前らとは住む世界が
違うんだよ」
光琉さんは最初こそ百合さんのことを
毛嫌いしていたが
ある日からそれがガラリと変わった。
どうやって誑かしたのかと
俺達の間ではますます百合さんが怖くなった。
だけど、今日俺達が会った百合さんは
普通に若を愛してくれる
構成員の俺達にも普通に接してくれる
優しい人だった。
光琉さんや若が、好きになるのもわかる。
光「百合さんは草薙組若頭『草薙夏風』の
恋人であり、俺達の若姐だ。
手を出せば草薙組が相手になるぞ」
桜花「っ」
光「行くぞ」
俺達は光琉さんの後ろについていき
百合さんが入っていた店の中に入る。
百合さんは何事もなかったように
ガラスケースに入っている
ネックレスやブレスレットを見ていた。
俺達に気がつくと百合さんは
先程までの殺気はなく
優しい笑みでこちらを見ていた。