願いが叶ったその時…




ほしい物がないのか
百合さんは店の中には入らず
ただ見ているだけ…
時々、目の前を通っていく家族であろう
人達をみるたびに、百合さんの表情は暗くなる




「あの、百合さん」


百「なんですか?」


「何か、買われないのですか?」


百「…別に欲しい物があるわけじゃ
  ないですからね…
  あ、ここ入ってみませんか?」




百合さんが指さしたのは
喫茶店だった。
俺達だけでは到底入れそうにもないところ



百「さぁ!知り合った記念に奢りますよ!
  夏風が!」


柾・筒・原「ブフッ」



この人は唐突に面白いことを言う
まだ笑っている俺達をつつきながら
店員に案内された席に座る。
百合さんはメニューを見ながら悩んでいるが
俺達が頼めそうな物はない。



百「こういうパフェとかって頼みずらい
  ですよね?」


「えぇ、まぁ」


百「てことなので、皆でこれた飲みましょう」



百合さんが指さしたのは
パフェがついてくるメニューで
百合さんにあげるとういうことで店員には
話をするということらしい。


味は最初に話し合ったとおりに
抹茶、チョコ、マンゴー、苺と決め、
それが来るまで若の話を百合さんに
聞かせていた。



店員「お待たせしました(ニコ」



店員から運ばれてきたパフェを
いったん百合さんにあげたふりをした。
この席は店員からもほかの客からも
見えない席になっており
俺達は気兼ねなくパフェが食べられる。


この人はそこまで考えて
くれていたんだな…



百「あっ、それ美味しそうですね!」


「食べますか?」


百「はい(ニコ」



百合さんの方に少しだけ
パフェを移動して一口スプーンにすくった。
百合さんは顔をゆるめながら
幸せそうに食べていた。





 
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