願いが叶ったその時…
side百合
男「こっちだ!」
あれから何時間たっただろうか…
走りつづけて今はなんとか
逃げ続けられてる…
でも、そろそろ私の足が限界だ
歩けるようにはなったが
走るのはまだキツい
なんで、こんなこと…
倉庫まで走りつづけ、
物陰に隠れていたが、足音が近づいてくる
物音をたてないように
ただそれだけを考え、口をおさえていた。
次の瞬間、頭に激痛がはしったと思えば、
どうやら髪を引っ張られていたようだ。
男「手間かけさせやがって!」
「くっ」
このままじゃ、また逆戻りだ
そんなのいやだ
私はあそこになんて戻りたくない
あいつの顔なんかみたくないっ
ガリッ
男「いてっ」
私は男の腕をかじり、また走った
誰にも見つからないところに、
1人になれる場所…
夏風を頼っちゃ駄目…
私のせいで、幸せになれなくなるっ
バンッ
「つっ」
銃声が聞こえたと思ったが
その弾は私の足にあたった。
私はなんとかして逃げようと
足を引きずりながら進んでいたが
そんなスピードで逃げられるわけもなく、
うつ伏せなっていた私の上に
上乗りになった男に手をナイフで刺される
ズキズキと痛み、傷口から溢れる血
だんだんと熱をおびてきた手のひら
神経が切れたのか手の感覚がない…
男「これでもう逃げられねぇだろ」
「――で、」
男「あ?」
「なんでそこまで私に構う
嫌いなら私なんか無視してればいいでしょ」
男「あの男に似てるからだろうが」
「はっ、愛してる自分の妹を殺して
手に入れた気分になってる奴なんかに
父さんをバカにする資格なんてない!」
男「てめっ」
ドゴッ ドスッ ドクッ ゴッ ガッ
「ガハッ」