忘れたはずの恋
藤野君が誰かと付き合って結婚…か。
それもアリだと思う。
だって…
「私、12歳も年上ですよ?
今は良くてもいずれは藤野君みたいな若い子は自分と同年代か年下がよくなると思います。
もう、嫌な思いをするのは懲り懲りなんです」
3人の顔をゆっくりと見回した。
触れてはいけないものに触れてしまった、という顔をしている。
が。
「そんな思いはさせません」
重苦しい雰囲気に陥りかけていたこのテーブルの沈黙を破ったのは藤野君だった。
「きっと、気持ちなんて変わるわよ」
お願い、藤野君。
諦めて!
「変わりません。
きっと僕はずっと吉永さんの事が好きです。
…もし、この賭けに負けて吉永さんを諦める事になっても。
ずっと心のどこかで想い続けると思います」
真剣な目をしないでよ。
藤野君が真剣であればあるほど。
私は苦しくなるの。
本気になって結局、傷付くのは私。
「まあ、吉永さん。
藤野の『本気』を見に行かないか?」
隣の相馬課長は宥めに掛かってきた。
「吉永さんは自分が傷付く事しか見えていないと思うけれど。
今、勇気を振り絞って吉永さんと言葉の応酬をしている藤野は結構、傷付いていると思うよ」
そう言われて我に返る。
目の前の藤野君は苦笑いをしている。
「ごめんなさい」
そんなつもりはなかったのに。
藤野君は苦笑いをしながら首を横に振る。
「気にしないでください。
それくらいで潰れるような精神力なら、レースなんて出ていません」
12歳も年下の子に…。
私は全てにおいて負けていると思った。
それもアリだと思う。
だって…
「私、12歳も年上ですよ?
今は良くてもいずれは藤野君みたいな若い子は自分と同年代か年下がよくなると思います。
もう、嫌な思いをするのは懲り懲りなんです」
3人の顔をゆっくりと見回した。
触れてはいけないものに触れてしまった、という顔をしている。
が。
「そんな思いはさせません」
重苦しい雰囲気に陥りかけていたこのテーブルの沈黙を破ったのは藤野君だった。
「きっと、気持ちなんて変わるわよ」
お願い、藤野君。
諦めて!
「変わりません。
きっと僕はずっと吉永さんの事が好きです。
…もし、この賭けに負けて吉永さんを諦める事になっても。
ずっと心のどこかで想い続けると思います」
真剣な目をしないでよ。
藤野君が真剣であればあるほど。
私は苦しくなるの。
本気になって結局、傷付くのは私。
「まあ、吉永さん。
藤野の『本気』を見に行かないか?」
隣の相馬課長は宥めに掛かってきた。
「吉永さんは自分が傷付く事しか見えていないと思うけれど。
今、勇気を振り絞って吉永さんと言葉の応酬をしている藤野は結構、傷付いていると思うよ」
そう言われて我に返る。
目の前の藤野君は苦笑いをしている。
「ごめんなさい」
そんなつもりはなかったのに。
藤野君は苦笑いをしながら首を横に振る。
「気にしないでください。
それくらいで潰れるような精神力なら、レースなんて出ていません」
12歳も年下の子に…。
私は全てにおいて負けていると思った。