柊くんは私のことが好きらしい
「えー事実はわかりませんがとにかく船は失ってしまいました。しかし彼は諦めません。助けが来るまで生き抜こうと希望を捨てなかったのです。誰だよこんな格好つけた設定にしたの」
小鷹くんに何か言われたのか、ふっくんはひとつ咳払いすると、自身の背後へ腕を広げた。
「一方町では友人たちが彼の身を案じ、共に探しに行く仲間を集っていました。航海士オーダカ。戦闘員ミッチャーです!」
柊くんのときのように歓声は上がらずとも、クラスメイトが拍手を送ると小鷹くんもみっちゃんも名前を呼ばれ、ギャラリーに応えていた。
「仲間はまだまだ足りません! 海は怖いですが、我こそはメグームを助けるのだ!という勇気ある方、まだまだ募集中! ひとりでも二人一組でもOK! まずはオーダカとミッチャーが先陣きるぜぇえええい!」
ボルテージの上がったふっくんに反して、一部の女子から「えっ、マジ!?」と驚きの声が上がった。
咲がにやにやしているのは、してやったりな気分だからだろう。
「小鷹くん、嫌だろうねえ」
まずは誰かが挑戦してみせることで、希望者を募りやすくしようという作戦は小鷹くん提案なのだけど。
「言い出しっぺが出ないとか、ありえないでしょ」
クラス会議で咲は同じことを言い、小鷹くんが出ざるを得ない状況にしたのだ。恐ろしい。