柊くんは私のことが好きらしい
「脇腹か! オーダカは脇腹が弱いのか!?」
「あっははは! 小鷹、ざまあ!」
ギャラリーに混じって笑う咲は、勢いのある水鉄砲が脇腹にあたるとバランスを崩す小鷹くんが面白くて仕方ないらしい。私もにやっとしちゃったよ。
しかし左右のロープが功を奏してか、小鷹くんはなんとか踏ん張り切り、第三関門へ。
でも、無理そうだなあ……。
苦笑が漏れるのは、最終関門の妨害役であるクラスメイトがこれでもとばかりに波を立てているからだ。
第三から最終関門まではただの水面走り。止まらず走り抜ければ柊くんのいる場所へたどり着けるけれど、その手前にある足場がぐわんぐわん揺れている。
しかもつるっとしてるスポンジ素材だし、濡れてるし、着地しただけで滑って転びそう。
予想は的中――というより、失敗がお望みであれば、くらい思ってそうな小鷹くんは、3つある足場の内2つ目でバランスを崩し、派手にプールへ落ちてしまった。
バシャーン! 大きな水しぶきが上がると、ふっくんは進行も忘れ大爆笑。ギャラリーも笑いに包まれながら、拍手や歓声が飛び交っていた。
続いて、みっちゃんも「こういうのは勢いが大事!」と息つく間もなく走り抜けようとしたものの、勢い余って第三関門へたどり着く前に顔面からプールへ落ちた。
申し訳ないけど、本当に笑ってしまった。