柊くんは私のことが好きらしい

学園祭、そしてクラス主催の水上アスレチックは盛況に終わった。


先生たちにも褒められたし、担任から労いのおにぎりも配られたし、何より特別賞をもらえたことが嬉しかった。


「不満しかない」

「……」

ひとりだけは違う心境のようで、返す言葉もない。


「ひまりが成功しようが失敗しようがどっちでもよかったけどさあ。〆は俺だろ。俺しかいなかっただろ! フクシンシが最後の最後に挑戦してこその、素晴らしいフィナーレだったはずなのに!!!」

「いや、挑戦してたじゃん。唐突に。空気読まずに」

「空気読んでの苦渋の決断だったわ!! あのままメグとひまりを放置して、なんの得がある!? 俺はもっと声援を受けてから挑戦したかった!」

「咲もうその話飽きた」

「飽きるなついてこい!」


ふっくんが涙目の理由は、空想していた素晴らしいフィナーレとかけ離れてしまったから。


最後の挑戦者として名乗り出る機会を奪われた挙句、救出成功の証であるステージから柊くんがいなくなるという事態に、ふっくんは突然「リア充ぼくめぇええええつ!!」と第一関門を突破し、第二関門でつんのめってプールへ落ちたのだ。


面食らっていたギャラリーは最終的に大笑いして、進行役だったふっくんは拍手喝采を浴びたのだけど、本人はどうにも不服らしく。


「ひまり。俺は、お前を、ユルサナイ」


真顔で言ってくるのがなあ……。

逆にふざけてるのかと思っちゃうからやめてほしいんだけど、申し訳ないことには変わりない。
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