柊くんは私のことが好きらしい

「つり合わないとか、調子乗ってるとか。そういうことをひまりに言う奴がいたら、俺今みたいに笑ってない」


柊くんの肩越しに、青ざめたり困惑したり泣きそうになってる子たちが見えた。


「……ひまりのこと、困らせないでやって」


どんな表情で言ってるのか私からは窺えないけど、きっと眉を八にしてる。女の子たちがつられたように同じ表情になったから。


呼び出しに応じた、という点で言えば私が話題の中心にいなきゃいけないはずなのに、早くもかすんじゃってるよなあ……。


もはや彼女たちの脳内では“メグの背後になんかいる”程度の認識になってるよ。その証拠に目配せし合った彼女たちは、

「ごめん……」
「メグ、ごめんね」

と私には目もくれず、小走りに去っていった。


いいけどね。こんな、呼び出されただけじゃなく助けまで入る経験なんて皆無だったわけだから、為す術ないのも当然といえば当然の結果ですけども。ちょっと釈然としないよね。


「ひまり」


くるりと振り向いた柊くんへ何気なしに目をやる。


あー……申し訳なさそうな顔してる。特に何もされてないし、柊くんのせいじゃないのに。


私のせい、だよ。

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