柊くんは私のことが好きらしい

「ひまちゃん彼氏できた?」


ドライヤーを取り損ね、目を見開く。それに負けないほど大きな瞳が、きらきらと輝いて答えを待っている。


「は、え……?」

「やっっだぁあああ!!! その反応マジだ!? 本当にできたんだ!?」


キャーッ!とひとりで盛り上がるふぅちゃんの両肩を慌てて鷲掴む。


「ちょっと! 違うから! ていうかなんで!? どうしてそんな話になるの!?」

「やだやだ誰!? どんな子!? 同じ学校の子!? 見たぁーい! 写メないの!? 連れてきてよっ!」

「しーっ! しーーーっ! 声が大きい……!」

リビングにお母さんもお父さんもいるんだから!


ぐいぐい迫ってくるふぅちゃんは「教えなさい!」と妹の言うことは完全無視。しかし私も動揺しているため、うまく言い逃れられない。


ていうか話したくないから内緒にしてたのに!!



「なーんだ。じゃあ、告白されたってだけ?」


今度は人差し指を頬に当てて顔を覗き込んでくるふぅちゃんって本当に私と血がつながってるのかな。仕草に違和感がなさすぎて腹立たしい。


「あのね、告白されただけで私には大事件なの」

「えー。てっきり彼氏かと思ったのに、つまんなーい」


そりゃあ、数人から言い寄られるのが日常で、告白された回数も数え切れないふうちゃんからしたら、何も面白くないでしょうけど。告白してきた人が問題なんだってば! 言わないけど!
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