正しい男の選び方

「そちらの彼女と?」

葉子は隣りにいる女にちらっと視線を走らせた。

くるくるとパーマをかけた髪の毛が短い女だった。可愛い顔立ちの華奢な体つきの彼女は、先週とは違う人だった。

男はほとんど自慢するように葉子の顔を見返す。

「そう。彼女が、本格的インドカレーをリクエストしたんだ。それにしても、ここの店、ギーまで置いてあるんだね」

「お客様に世界中のグルメを楽しんで頂くというのが、我がワールドフーズのモットーですから」

感心する男に葉子はよどみなく答えた。

先週の女のことをちくりと言ってやろうかと思ったが、わざわざ上客を失うこともない、と思い返して、葉子はにっこりと笑って二人を見送る。

男のバスケットには10種類以上のスパイスが放り込まれていた。

絶対、今晩使ったらこのスパイスは放置されて捨てられるんだろうなァ……

葉子は、次々とバスケットに放り込まれて行く調味料をみながら何とも言えない気持ちになった。


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