正しい男の選び方
政好はポケットに手を突っ込んで、ごそごそとすると、中からベルベットの小さな箱を取り出した……。
「……あの、け、結婚……」
政好はそれだけ言うと絶句した。
顔を真っ赤にしながら、ベルベットの箱を開ける。中には、小粒のダイアモンドがキラリと光るシンプルな指輪が入っていた。
いきなりのことで。
葉子の頭は完全にフリーズした。
け、結婚? だって……結婚??
政好は、首の後ろをぽりぽりとかきながらぼそりぼそりと話を続けた。
「……駄目かな……?」
「っていうか、急に、どうして?」
「実は、来年の9月からハワイ大学に行かないかって話をもらったんだ」
「ハワイ?」
「海洋生物研究所のスポットが一つ開いて、研究員を探してるんだよ。この前報告会に来た教授が推薦してくれてさ……」
「すごいじゃない」
「うん。講師になれそうで」
「ちょっと待って。ってことはハワイに行くの?」
「うん。……だから、結婚して一緒に来てくれないかな」