正しい男の選び方
「あ……ごめん、気を悪くしたら謝るよ。
だけど、葉子だって、もっと社会に貢献できるような立派な仕事がしたいと思ってるんじゃないの?
ボランティアなんかじゃなくてさー。絶対、そっちの方がやりがいあると思うよ」
政好はなおも目を輝かせて葉子を説き伏せていた。
その声を聞いているうちに、葉子はだんだんと白けた気分になっていく。
政好の言っていることは確かに一々もっともだった。
きっと、ハワイに行ってアマゾンや地球環境のことをもっと知り、その保全に関わることができたら素晴らしいと思う。しかも、政好のような情熱を持った同志と一緒に打ち込めるとしたら……充実した未来が待っていることだろう。
だけど……納得のいかない自分がいる。
これは、全て政好から与えられたもので、自分が求めていた人生ではない気がするのだ。
どういう決断をするにせよ、自分で考えて自分で決めたかった。
「……急に、結婚しよう、とか仕事やめろ、とか大学で研究したらいい、とか……決めつけないでくれる?」
「え?」
話の腰を折られて、政好は驚いた顔をする。
こんなチャンスはめったにあるものではない。だから葉子が反対するとは思っても見なかったのだろう。
「私の人生が大きく変わるんだから、そんなに勝手に決めつけないで」
「……君に良かれ……と思って言ってるだけなんだけど。……それに、僕と一緒にいたくないの?
離ればなれになってしまって……葉子は平気なの?」
政好が聞いてきて、葉子も自問自答する。
政好と一緒に居たいかって……?
いや、もちろん、離れたくないけど。
「……もちろん離れたくない」
「だったら……」
政好は当惑した顔になる、
「離れたくないなら、あなたがこの話を断ればいいじゃない」
「僕が? なんで? こんな絶好のチャンスを君のために棒にしなくちゃ……」