正しい男の選び方
一刻も早くさっきのことは忘れてしまおうと、葉子は映画を見ることにした。こういう時は気楽なラブコメに限る。
……そろそろ映画が終わる、という頃、ピンポーンとドアのチャイムが鳴った。
夜も更けて来たというのに、誰だろう?
躊躇しているともう一度ピンポーンと鳴った。
「……どなたですか?」
「……オレ」
「浩平?」
ドアを開けると、大きな包みを持った浩平が立っていた。
「昨日メシ作りすぎたんだ。捨てると君がヒス起こすから残り物持って来た。」
「……バッカじゃないの」
「食べようぜ」
「もう夜中よ。お腹すいてない」
「じゃ、飲もう」
浩平はそう言うと勝手に入ってきて、キッチンのテーブルに持ってきたものを並べ始めた。
ご丁寧にテーブルクロスと食器まで持参している。持って来たものを並べると小さいテーブルはすぐにいっぱいになった。
「ここのテーブルは小さいな」
「……余計なお世話よ」
それから、ろうそくを取り出すと部屋のあちこち置く。
一つ一つに明かりをつけていって、それから電気を消した。ほのぐらい明かりのなかに浩平の顔がぽっと浮かび上がる。
暖かなろうそくの光がとてもロマンチックだった。
「ほら、座って。乾杯しようよ」