正しい男の選び方

その日から、葉子は怒濤のような毎日を過ごす事になった。

時間がもったいない、というので、葉子は浩平の家に寝泊まりする事になった。
浩平だけではない。ルーシーという名の英語の先生も一緒に泊まりこみだ。

朝起きてから出勤するまで、みっちりと英語の勉強。食べる時も英語。
一言でも日本語をしゃべろうものなら、ルーシーからの叱咤がすかさず飛んでくる。
テレビも英語。浩平も英語!! 全て英語。葉子は泣きそうだった。

腹の立つ事に、葉子がいきりたっている横で、浩平とルーシーが楽しそうに談笑している。
もちろん英語。
時々浩平がルーシーの髪の毛をかきあげたりして、なんか雰囲気たっぷりなんである。
ルーシーはブルーの瞳が眩しい金髪美人。絶対見た目で選んだに違いない。

仕事まで、通勤時間わずか2分。
最悪なことに、エレベータで一階に降りるまで、ルーシーがついてくる。

浩平がどんな魔法を使ったのか。
葉子は、一年で最も忙しいこの時期に残業を免除された。
店長が、複雑な顔で、長澤さんの特別な事情はよくわかっているから、と同情するように言ったのだ。

恐るべし、金持ち。

だから、葉子は’金持ちが嫌いあのだ。ヤツらはカネで何でも自分の思い通りになると思っている。
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