正しい男の選び方
15時間の後、リムジンに乗せられた葉子は、マンハッタンのホテルの中にいた。
プラザのスイートである。
三人はホテルに着くと早速荷解きをした。カウチと食卓を置いてあるリビングを挟んで右側の部屋を葉子とルーシーが使い、左側の部屋を浩平が使う。
三人はリビングでお茶を飲んで一息いれた。
「明日は買い物に行こう」
「買い物?」
「ドレスと靴がいるだろう?」
「ええ? 用意しておいたよ。スーツケースの中に入っているはず……」
「頼むからあんなしょぼい服でパーティーに出る、とか言うなよ」
「……そんな、もったいないし、いいよ。高いの買ってもアレだし……っていうかゴージャスな服なんて着たことないし……」
浩平の視線に気づいて、葉子の声はだんだん小さくなる。浩平は静かに微笑んでいた。
なんだか北海道デートの豪華バージョンのような様相を呈してきた。
地に足が付かない、とはまさにこのことだ。浩平のペースにすっかりのせられて、葉子は何が何だかわからぬまま、言いなりになっている。
シャワーを浴びてさっぱりした後、浩平とルーシーと葉子の三人は近くのレストランへご飯を食べに行った。