正しい男の選び方

「せっかくだから、ビーガンの店に行く?」

という、浩平の提案でビーガンの店に行くことにした。
韓国風のカフェっぽい構えの店で、なるほど、メニューには

 ビーガン「ビーフ」ヌードル
 ビーガン「ポーク」チャーハン

などと書かれている。

新メニューは、ビーガン「シュリンプ」らしかった。

「ビーガンのシュリンプなんて、何でできてるのかなー」

「そりゃ、やっぱり豆腐か豆かなんかじゃないの?」

浩平が適当に答える。

「どうやってえびの風味を出してるんだろう」

「こうなると、体にいいんだか悪いんだがよくわからないよなぁ」

そんな話をしつつ、葉子はビーガン「ビーフ」ヌードルを注文してみた。
出て来たのは、韓国風のうどんにカルビ牛肉風の一切れと野菜の載った一皿である。

早速葉子は食べてみた。

「どう? お味は」

ルーシーが興味深そうに葉子に聞いた。

「……」

「まずいの?」

今度は、浩平が心配そうに聞く。

「いや、美味しい。美味しいよ。まずくはないよ、全然」

「じゃ何。その沈黙は」

「これ、確かに見た目は牛肉そのものなんだけど、目をつぶって食べるとまんまきつねうどんだよ。
 えー、これでビーガンってなんかだまされた感じィ。もっと……肉っぽいの期待した」

葉子が文句を言うと、浩平がクスクス笑う。

「いや、肉っぽいの期待するんだったら、肉を食おうよ、って話でしょ」


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