正しい男の選び方
「なんか、きつねうどんの方が安心できる……。そっちのビーガン『シュリンプ』はどう?」
「んー」
ルーシーはよくわからない、という顔をした。彼女は甲殻類のアレルギーがあるので、エビなど記憶にある限り食べた事がない。
ホンモノと比べてどうか、という感想など出てくるはずもなかった。
「見た目はたしかにえびだけどね」
葉子がいうと、浩平も大きく頷く。
「料理は見た目も大きいから。これを食べれば、えびを食べたと錯覚するのかもね。まあ、せっかくだから、今夜はだまされよう。
しかし、このビーガン『ポーク』、自分で作れるかなァ?」
「作る気満々じゃない」
ルーシーが言うと、
「いつかベジタリアンの彼女にご馳走するチャンスがあるかもしれないからね」
と、浩平がにっこにこの笑顔で葉子にウィンクを投げかける。
本気なのか冗談なのか、からかって楽しんでるだけなのか……葉子は顔を赤くするばかりで返事ができない。
浩平のペースに翻弄されっぱなしだった。
食べた後、近くのバーで一杯飲んで、ホテルに戻った。
葉子はくたくたで、ねまき(Tシャツにジャージ)に着替えると、倒れるようにベッドにもぐりこんで泥のように眠る。
長い一日だった。