正しい男の選び方

浩平の方をちらりと見ると、浩平はにっこり笑って訊いた。

「ミセス・マイルズ、僕はワインを取ってきますが、何か飲まれます?」

「じゃ、私にもワインを持って来てもらえるかしら?」

「はい。葉子は?」

浩平は葉子に向きなおった。

「あ、じゃあ、私にもワインを」

「オッケー」

そう言うと、浩平はミセス・マイルズと葉子を残して飲み物を取りにどこかへ行ってしまった。

(えっ!? こ、浩平ー! 戻って来てー!!)

大声で叫ぶも、心の叫びは浩平には届かない。

しょうがない……葉子は、ルーシーと何度も何度も練習した自己紹介をマイルズ夫人に向かって言い始めた。

「私、東京で『アマゾンの森林を守る会』という会で活動しているんです。
 し、森林を守るためのき、寄付を募ってるんですけど、今年は、も、目標まで達してなくて」

どもりどもりの、つっかえつっかえの自己紹介だった。
マイルズ夫人は、葉子が英語に不自由なのを悟ったのか、今度はゆっくりと聞いてくる。

「そう。でも、あなたは日本人なのだし、アマゾンのことを……それほど心配する必要は……んじゃないかしら?」

老婦人はほほほと笑う。

 
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