正しい男の選び方
「もちろん、アマゾンに限らず、生態系を破壊する可能性について、私たちは常に慎重であるべきです。
ただ、アマゾンが特別に憂慮されているのは、その面積の広大さと破壊の速度が恐ろしいほどまでに早く、地球全体に対する影響が計り知れないからなんです」
何だか、話の内容がつまらない講義のようになってきた。
マイルズ夫人は、ふっと短い息を吐く。
「どっちみち私が生きてる間にはそんなに大きな問題にはならないでしょう? いくらもないもの」
これには葉子もしゃっぽを脱ぐしかなかった。
「分かりませんよ、最近の科学技術の進歩はすごいですから。
あと100年ぐらい生きられるようになったらどうします?」
「あら、やだ。それは、アマゾンの森林が伐採されるよりずっと恐ろしいわ」
夫人のユーモラスな言い方に葉子は思わず吹き出してしまった。
「でも、あなたのように素敵でいられるのなら、年を取るのは悪くないんじゃないですか? ……はい、どうぞ」
浩平が横からマイルズ夫人にワインを差し出す。
マイルズ夫人は上機嫌で浩平からワインを受け取った。