正しい男の選び方
女たらしの本領またまた発揮である。葉子は呆れるやら感心するやら……であった。
葉子も浩平からグラスを受け取ると三人は乾杯した。浩平は葉子の耳元でこそっとささやく。
「ちゃんとアピールできた? マイルズ夫人は、くさるほどカネ持ってるからな」
「……そういうこと?」
「当たり前だろー」
葉子の顔がさーっと強ばった。
そういうことは先に言ってよ……。あれじゃ、全然ダメじゃない?
暗澹たる気持ちが葉子を襲う。スピーチはまだなのに余計に緊張してきた。
和やかな雰囲気になってきた頃、いよいよ浩平が挨拶を始めた。新しく設立する会社のPRをすると、盛大な拍手が沸きおこる。
それから、さりげなくアマゾンの森林保護の話を始め、葉子を壇上に呼び寄せた。
葉子は壇上にあがった。
手が汗でべっとりだ。ライトの光が眩しすぎて、クラクラしそうだった。
「皆さん、こんにちは。今日は私が関わっているブラジルの森林の話をさせて頂きたく、お邪魔しています。
こんな機会を与えて下さった星野浩平氏とApps for Artists社様には大変感謝しております……」