正しい男の選び方
葉子はここで深呼吸をする。
落ち着け……あせるな……大丈夫。あれだけ頑張ったんだから。
笑顔を忘れない、ユーモアを忘れない。自信のある顔をして……。
ルーシーと浩平にいわれ続けた事を思い返して葉子は続けた。
「……ある日、目の前に大豆を差し出されたんです。
『これ、誰が食べると思う?』って聞かれて。私は当然、『私?』って答えました。
私たち、日本人は、醤油やみそ、豆腐なんかにして大豆をよく食べますからね。
とても身近な食べ物なんです。いった大豆なんかとても美味しいんですよ!栄養もありますしね。
ところがその人は、手を振って『違う、違う。これはお牛様のおエサなのよ』と答えるじゃないですか。
私は、目の前の美味しい大豆が、人間の食べ物ですらない、ということにショックを受けたのです。
これが、アマゾンの問題を知るきっかけとなりました……。
アマゾンの森林は手当り次第に伐採され、焼畑農業という極めて原始的な形態の大豆農園になり、数年で荒れ地となってしまっています。
サテライトの地図を見た時には、豊かな森が荒れ地に変わり、空気がどんどん薄くなっていくような気がしました。
……
…………」
……
葉子は急に頭が真っ白になった。