正しい男の選び方
「葉子!」
ルーシーが声を張り上げる。
「肝心な時に自分の心に従えない人は、大事なものを手に入れること、できないのよ? いいの? 私がコウヘイを誘惑しても」
「だって……」
葉子はそれでも言葉が続かなかった。
今日一日の気まずさを思えば、葉子が浩平を相当怒らせてしまった事は間違いなさそうで、今度こそおしまいなんだろう、という気がするのに、何か浩平に言うなんてとても出来そうもなかった。
しかし、ルーシーは容赦ない。
「こんなヘタレ、私は助けたりしない。自分で何とかしなさいよ。
覚悟も勇気もない女にコウヘイみたいな男を捕まえられるはずないわよ」
その後、何をしゃべったのか葉子はほとんど覚えていない。
ただ、気がついたとき、葉子はホテルのベッドで横になっていた。
喉の渇きを覚えてベッドから這い出ると、猛烈な頭痛が葉子を襲う。昨晩、しこたま酒を飲んだ事だけはすぐに思い出した。
頭を抱えながら水を探しに隣りの部屋まで行く。