正しい男の選び方

浩平はすでに起き出して、コーヒーを淹れて悠々とテレビを見ながらラップトップをいじっている。

「……おはよう」

葉子は浩平に声をかけた。

「……おはよう。ホテルを11時にでるから。そのまま空港に行って帰る」

言葉少なに要点だけ淡々と簡潔に説明した。取りつく島もない。

「……わかった」
「……」
「……」

浩平も葉子もそれ以上言葉が続かない。葉子は水を手にすると、そそくさと自分の部屋へ引き上げた。

すでに荷物はほとんどパッキングしてある。ヒマを持て余してグダグダしていると、ルーシーがのっそりと起きて来た。
ルーシーはふああとあくびをしてから、

「喉、渇いちゃったー」

と葉子に言って、隣りの部屋に水を取りにいった。

すぐに浩平とルーシーの楽しげな会話が聞こえてくる。
葉子は、バスルームに入って熱いシャワーを浴びる。

最悪の気分だった。
それは、多分、二日酔いのせいだけではない。

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