正しい男の選び方

いや、4万ドルだったとしても葉子には十分なオドロキなのだが。

葉子は、秋祭りの成果を思い出して複雑な気持ちになった。
三日間がんばって、売り上げが50万、寄付が30万程度。しかも、そのうちの20万は浩平の懐から出ているお粗末さ。

浩平は、一晩で、実に売り上げの80倍(寄付ならば120倍)以上の金額を集めたことになるわけだ。

「も、目標はいくらだったの?」

葉子は思わず浩平に聞いた。

「50万ドル。だから、帰りの飛行機代を少し浮かせて、足りない分の穴埋めに当てようと思ってね」
「…………」

話のスケールが違いすぎる。

急に、浩平が宇宙人のように思えてきた。
いや、もともと浩平は葉子とは、住む世界の違う人、違う価値観の人だったのだ。

そんなこと、最初からわかっていたではないか。

大体、タワーマンションの最上階のペントハウスに住んで、高級車を何台も持って、北海道に日帰りドライブデートなんて、聞いた事もない。

自分勝手で好きな事をして、お金を湯水のように使っても全然心の痛まない人。
享楽的な浪費家。
葉子はそういう傲慢な生き方をする人たちを誰よりも軽蔑していたはずではなかったか? 
堅実に生きて、謙虚で誠実でありたいと望んでいる葉子とはそもそも相入れないのだ。

この先、浩平なんかと関わったって、葉子のイライラは募るばかりであろう。

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