正しい男の選び方

「楽しかった?」
「え?」
「贅沢して綺麗になって、楽しかった?」

……最高の気分だった。
まるで自分が女優になったみたいで、おまけに浩平はずっと耳元で綺麗だよ、自信持って、って囁いててくれて、葉子のことをずっと女王様みたいに大事に扱ってくれた。

葉子は政好の質問に答えることができない。

「葉子のドレス姿、綺麗だっただろうなぁ。
 それに、正直、男だったら、女が贅沢して綺麗になってるのを見ると男は幸せになるんだ、なんて、一度言ってみたいセリフだよ。
 贅沢させる自信がなきゃ、とても言えないもんなぁ」

政好はため息をつく。

「アイツのそういう自信ありげなところが、非常に鼻につく……ってかムカつく」
「わかる」

葉子は思わず政好に同意した。

「ムカついてるけど、好きだからどうしていいかわかんないんだ、だろ?」

政好の顔は笑っていなかった。


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