正しい男の選び方
葉子はカフェに一人取り残された。
葉子次第だろ、という政好の言葉を反芻する。
葉子は自問した。
私は、どうしたい? このまま意地を張って、ふて腐れて、自己嫌悪に陥ってるだけでいいの?
自分の気持ちをを伝えなくていいの?
私は……
肝心な時に自分の心に従えない人は、大事なものを手に入れること、できないのよ? 今度はルーシーの言葉が頭に浮かぶ。
気がつけば、葉子は浩平に電話をかけていた。
緊張のあまり手が震える。心臓の脈打つ音が大きくなって息があがった。それでも、途中で辞めはしなかった。
投げ出してはいけない。手に力を入れて、スクリーンをタッチする。
「はい」
浩平はすぐに電話に出た。
「あ、あの……葉子です」
「わかってるよ」
そっけない言い方に気持ちがくじけそうになる。
「……き、今日の夜、あの、うちに、こ、来ない?」
「今晩? あー、ちょっと用事があるからムリ」
「そ、そうか。そうだよね。……もしかしてカナに会うの?」
(またッッ! 私ってば何、余計な事言ってんの!?)
葉子は、ココロとアタマと口がバラバラで、それぞれが勝手なことをしているような気がした。
自分でも支離滅裂だ。
「……まあね」
浩平は隠しもしないでしれっと言う。