正しい男の選び方
落胆と悲しみがごちゃまぜになって葉子を襲う。葉子は電話をぷちっと切ってしまいたかった。
(カナとは何でもない、って言ってたのはわずか三、四日前のことにすぎないのに。
もう、次に行くわけ!? ぶつかる前から玉砕なんて最悪……)
葉子が無言でいると。
「用件はそれだけ?」
「……う、うん」
「じゃ」
浩平は電話を切ろうとする。いつもならうざいぐらい食いついてくるのに。
(こんなの……これで終わっちゃうの? 本当に!?)
葉子は、ケータイをぎゅうっと握りしめた。
(いやだ、こんなんで終わりにできないよ……)
葉子は急に、ふっと浩平のしつこさを思い出した。
……そういえば、浩平は、葉子の都合なんか全然気にもしないで、図々しく迫って来てたではないか。
(私がそうしたって何が悪い!?)
「ちょ、ちょっと!! 話はまだ終わってない」
気持ちを伝えなきゃ、という焦りと、幾分かの開き直りがかろうじて葉子の口から言葉を押し出した。